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日野自動車と三菱ふそう、新会社「ARCHION(アーチオン)」で商用車事業を統合へ

2025.10.15

日本の商用車業界に新たな歴史を刻む、大規模な経営統合が発表されました。日野自動車と三菱ふそうトラック・バスが、2026年4月を目標に新会社「ARCHION(アーチオン)」を設立し、両社の事業を統合します。この統合は、両社の親会社であるダイムラートラックとトヨタ自動車も参加する、異例の4社共同経営体制となることが特徴です。

統合の背景と新会社「ARCHION」の概要

この画期的な統合は、2026年4月に新持株会社「ARCHION」が事業を開始することで実現します。三菱ふそうの親会社であるダイムラートラックと、日野自動車の親会社であるトヨタ自動車がこの新会社に共同で出資し、日野自動車と三菱ふそうはARCHION傘下の事業会社として集約されます。

新会社の社名「ARCHION」は、英語の「ARCH(弓型の構造)」と「EON(遥か過去から未来まで)」を組み合わせた造語です。この名前には、両社が過去から未来へと続く強固な「絆」で結ばれ、共に商用車の未来を創造していくという、未来志向の強いメッセージが込められています。この統合は、激変する商用車市場において、両社がグローバルな競争力を強化し、アジア市場を牽引していくための戦略的な一手と言えるでしょう。

経営・生産体制の抜本的改革

統合に伴い、生産体制の抜本的な改革も進められます。2028年末までに、現在両社で国内に保有する5つの生産拠点を3拠点へと集約し、生産効率の向上とコスト削減を図ります。

具体的な工場再編計画は以下の通りです。

  • 三菱ふそう「中津工場」:閉鎖が決定されました。しかし、従業員の雇用はグループ内で確保される方針であり、人材の安定化に配慮した統合となります。
  • 日野自動車「羽村工場」:トヨタ自動車へ移管される予定です。
  • 日野自動車「古河工場」および「新田工場」:これら2工場は維持されます。
  • メイン生産拠点:三菱ふそうの川崎製作所など、主要な3拠点が統合後のメイン生産拠点となる見込みです。

この集約により、生産ラインの最適化、物流コストの削減、最新技術の集約が可能となり、より競争力のある製品を効率的に市場に投入できる体制が構築されます。

統合のねらいと戦略的重点分野

この統合の最大の目的は、日野と三菱ふそうが持つ技術とノウハウを結集し、グローバル市場での競争力を飛躍的に向上させることにあります。

  1. プラットフォーム統合による商品力・コスト競争力強化

大型・中型・小型トラックのプラットフォーム(車台)を統合することで、開発コストの削減と製品ラインナップの共通化・効率化を図ります。これにより、多様な市場ニーズに対応しつつ、部品の共通化による製造コストの低減を実現し、商品力とコスト競争力の両面で優位性を確立することを目指します。

  1. 購買機能の一元化とスケールメリット

両社の購買機能をARCHIONの下で一元化することで、部品調達における大きなスケールメリットを享受します。これにより、サプライヤーとの交渉力を高め、さらなるコスト削減と調達プロセスの効率化を推進します。

  1. CASE技術領域への投資拡大とイノベーション加速

特に力を入れるのが、CASE技術(Connected:コネクテッド、Autonomous:自動運転、Shared:シェアリング、Electric:電動化)領域への投資拡大です。

  • 電動化分野への注力:トヨタ自動車とダイムラートラックが持つ先進的な技術を最大限に活用し、燃料電池(FC)車や電気自動車(EV)といった電動化技術の開発を加速させます。これは、世界の脱炭素化の流れに対応し、環境負荷の低い商用車の普及をリードするための重要な戦略です。
  • 自動運転・コネクテッド技術の強化:次世代の物流を支える自動運転技術や、車両間・インフラとの連携を可能にするコネクテッド技術の開発にも注力し、より安全で効率的な運送システムの実現を目指します。

新会社の役員体制

ARCHIONの経営陣には、両社および親会社の主要な幹部が就任し、強固なリーダーシップを発揮します。

  • 最高経営責任者(CEO):カール・デッペン氏(現三菱ふそうCEO)が就任します。
  • 最高財務責任者(CFO):ヘタル・ラリギ氏(現三菱ふそうCFO)が就任します。
  • 最高技術責任者(CTO):小木曽聡氏(現日野自動車社長)が就任します。

その他、ダイムラートラックや住友理工など、関係企業の取締役も新会社の経営に参画し、幅広い視点と専門知識がARCHIONの成長を支えます。

関係者からのコメント

新会社の設立にあたり、主要な役員からは今後の意気込みが表明されています。

  • CEOのカール・デッペン氏は、「ARCHIONを通じてアジアの商用車業界を牽引していきたい」と語り、この統合が単なる合併に留まらず、業界全体の変革を積極的にリードしていく姿勢を示しました。
  • CFOのヘタル・ラリギ氏は、「財務の持続力とパフォーマンス改善に注力していく」と述べ、統合による効率化とスケールメリットを最大限に活かし、安定した企業経営を目指すことを強調しました。
  • CTOの小木曽聡氏は、「顧客視点と技術融合を大事に、商用車の未来をともに創造していく」とのコメントを寄せ、お客様のニーズに応える技術開発と、両社の技術シナジーを最大限に引き出すことへの決意を表明しました。

まとめ:日本の商用車産業再編とグローバル競争力強化の象徴

日野自動車と三菱ふそうトラック・バスの経営統合による新会社「ARCHION」の設立は、日本の大型商用車産業における再編の象徴的な大統合です。この統合は、単に2つの企業が一つになるだけでなく、経営資源の効率化、CASE技術領域への集中的な投資強化、そして従業員の雇用確保と環境・社会貢献の両立を目指すという多角的な側面を持っています。

今後は、新ブランド「ARCHION」の下で、統合されたプラットフォームや購買機能がもたらすスケールメリットを活かし、グローバル市場での競争力強化が大きく期待されています。電動化や自動運転といった次世代技術への積極的な取り組みは、持続可能な物流社会の実現にも貢献していくことでしょう。ARCHIONが、アジア、そして世界の商用車業界をどのように牽引していくのか、今後の動向から目が離せません。

 

 

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