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ユニック車のトラブルシューティングQ&A:現場で役立つ対処法

2025.10.02

ユニック車は建設現場や資材運搬など多くの現場で活躍する重要な作業車両ですが、様々な機構が組み合わさった複雑な車両であるため、時としてトラブルに見舞われることがあります。現場での急なトラブルは作業の遅延や安全上のリスクにつながるため、迅速かつ適切な対処が求められます。堀野モータース株式会社では、40年以上の実績で培ったノウハウをもとに、現場で役立つトラブルシューティングをQ&A形式でまとめました。東海地方を中心に多くのお客様にご愛用いただいているユニック車の、よくあるトラブルと対処法をご紹介します。

クレーン機能のトラブル

Q1: クレーンが動かなくなった場合のチェックポイントは?

A: クレーンが全く動かない場合は、以下の順序でチェックしてください。

  1. PTOの確認:
    • エンジンが始動しているか
    • PTOスイッチが「入」になっているか
    • PTOランプが点灯しているか
    • PTOが正しく噛み合っているか(噛み合わない場合はエンジン回転を下げて再度入れ直す)
  2. 油圧系統の確認:
    • 油圧オイルの量は十分か(オイルタンクのレベルゲージで確認)
    • 油圧ポンプの作動音はするか(異常な音がしないか)
    • 油漏れはないか(ホース、継手部分など)
  3. 電気系統の確認:
    • バッテリー電圧は十分か
    • ヒューズが切れていないか
    • ラジコン式の場合、送信機のバッテリー残量や電波状態は良好か
  4. 安全装置の作動確認:
    • 過負荷防止装置が作動していないか(荷重計表示を確認)
    • アウトリガーインターロックが解除されているか(全てのアウトリガーが正しく設置されているか)

これらを確認しても改善しない場合は、無理な操作は避け、専門業者に連絡してください。特に岐阜県や愛知県の暑い夏場は油圧系統のトラブルが増加する傾向にありますので、日常点検が重要です。

Q2: クレーンが途中で停止する場合の原因と対処法は?

A: 作業中にクレーンが突然停止する場合は、以下の原因が考えられます。

  1. 過負荷の場合:
    • 症状: 警報音と共に動作が停止
    • 対処: 荷重を減らす、ブーム長さを短くする、または作業半径を小さくする
    • 確認: モーメントリミッターの表示で負荷率をチェック(90%以下に抑える)
  2. 油温上昇の場合:
    • 症状: 動きが徐々に遅くなり、やがて停止
    • 休止しタンクの油温が下がるのを待つ。
    • 予防: 連続作業を避け、定期的に休止時間を設ける(特に夏場)
  3. 油圧系統の問題:
    • 症状: 不規則な動作や特定の動作だけ停止
    • 対処: 油圧バルブの詰まりや電気系統不良の可能性があるため、専門業者に点検を依頼
    • 応急処置: エンジンを一旦停止し、再始動して様子を見る
  4. 電気系統の不具合:
    • 症状: 突然の停止や警告灯の点灯
    • 対処: 電装品の接触不良やセンサー異常の可能性、コネクタの抜き差しで改善することも
    • 確認: エラーコードが表示されている場合はメモを取り、専門業者に伝える

東海地方、特に岐阜県内陸部の夏場は気温が35℃を超えることも多く、油温上昇によるトラブルが発生しやすい環境です。高温時の作業では十分な休憩を取り入れることが重要です。

油圧系統のトラブル

Q3: 油圧系統からの油漏れが発生した場合の応急処置は?

A: 油漏れはそのまま放置すると重大な故障や環境汚染につながります。状況に応じた対処が必要です。

  1. 軽微な漏れの場合:
    • 漏れている箇所(ホース継手部など)を清掃し、増し締めを試みる
    • 漏れが止まらない場合は、可能な作業のみ完了させ、早めに修理する
    • 漏れた油は吸着マットなどで回収し、適切に処理する
  2. ホース破損による大量漏れの場合:
    • 直ちに作業を中止し、エンジンを停止する
    • 応急処置として、漏れている箇所をウエス等で巻き付ける。(油の飛散防止が目的)
    • 専門業者に修理を依頼する
  3. シリンダーからの漏れの場合:
    • パッキン劣化が原因のため、その場での修理は困難
    • 荷を安全に降ろし、作業を中止する
    • 専門業者に修理を依頼する
  4. 環境対策:
    • 地面などに漏れた油は砂や吸着剤で回収
    • 河川や排水溝に流れ込まないよう注意
    • 必要に応じて関係機関に報告

当社では岐阜県・愛知県全域で緊急出張修理サービス(0574-26-7701)を提供しています。油漏れトラブルの際はお気軽にご連絡ください。また、ホースは定期的な交換(使用頻度にもよりますが5年程度)をおすすめします。

アウトリガー関連のトラブル

Q4: アウトリガーが正常に展開しない時の対処法は?

A: アウトリガーは安全作業の要です。展開不良は以下の原因が考えられます。

  1. 油圧不足の場合:
    • 症状: 動きが遅い、途中で止まる
    • 対処: エンジン回転を上げて油圧を確保する(アイドリング状態では油圧不足になることがある)
    • 確認: オイルレベルの確認と必要に応じた補充
  2. 操作バルブの不具合:
    • 症状: 特定のアウトリガーだけ動かない
    • 対処: バルブレバーの動きを確認し、スムーズに動かない場合は注油する
    • 応急処置: バルブを数回操作して詰まりを解消できることもある
  3. 異物の噛み込み:
    • 症状: 途中で引っかかる、異音がする
    • 対処: 安全を確保した上で、ビームやスライド部分の異物を除去
    • 注意: ビームの下に手や足を入れないこと
  4. シリンダーの不具合:
    • 症状: 伸びても縮まない、または逆の症状
    • 対処: シリンダー内部のパッキン劣化や油漏れの可能性があり、専門業者による修理が必要
    • 応急処置: 無理な操作は避け、他のアウトリガーでの代替が可能か検討

岐阜県や愛知県の土砂現場では、ビームへの土砂の付着が原因でトラブルが発生することも多いです。使用後のビームの清掃と給脂を習慣づけることで、多くのトラブルを防止できます。

Q5: アウトリガーからの油漏れと水平維持の問題はどう対処すべき?

A: アウトリガーの油漏れは安全性に直結するため、適切な対応が必要です。

  1. 油漏れの診断:
    • シリンダーロッド部からの漏れ: パッキン劣化が原因
    • 配管・ホース部からの漏れ: 継手緩みや破損が原因
    • 作動油の種類: 専用のものを使用(ISO VG46相当)
  2. シリンダーからの油漏れ対処:
    • 軽微な漏れ: ロッド表面をきれいに拭き、状況を観察
    • 継続的な漏れ: パッキン交換が必要(専門業者に依頼)
    • 応急処置: オイル吸着材・ウエス等で漏れを受け止め、環境汚染を防止
  3. 水平維持の問題:
    • 症状: 設置後に徐々に沈み込む
    • 原因: 内部漏れ(バルブやシリンダー内のシール不良)
    • 対処: 作業中は定期的に水平を確認し、必要に応じて再調整
    • 根本解決: チェックバルブやシリンダーシールの交換(専門業者に依頼)
  4. 地盤対策:
    • 軟弱地盤での沈下防止: 十分な大きさの敷板を使用
    • 推奨敷板サイズ: 最低でも40cm×40cm以上、荷重に応じて大きくする
    • 雨後の現場: 地盤の状態を特に慎重に確認

東海地方は降雨量が多い地域であり、特に岐阜県南部や愛知県の臨海部では地盤が緩くなっていることが多いです。アウトリガー設置時は地盤状態を十分に確認し、必要に応じて補強することが重要です。当社では適切な敷板の選定についてもアドバイスしています。

電気系統とラジコンのトラブル

Q6: ラジコンの反応が悪くなった場合の原因と解決方法は?

A: ラジコン式ユニック車の操作不良は作業効率と安全性に大きく影響します。以下の対処法をお試しください。

  1. バッテリー関連の確認:
    • 送信機のバッテリー残量確認と交換
    • 送信機の充電端子の清掃(接触不良対策)
    • 車両側バッテリーの電圧確認
  2. 電波環境の確認:
    • 周囲に強い電波を発する設備がないか確認
    • 送信機と受信機の距離を近づけてみる
    • アンテナの向きや位置を調整
  3. 送受信機の状態確認:
    • 送信機の破損や水濡れがないか
    • 受信機カバーの取り外しと内部コネクタの確認
    • 防塵・防水カバーの状態確認と清掃
  4. システムリセット:
    • 送信機の電源を一度切り、再起動
    • 車両側の電源(キースイッチ)のOFF/ON
    • 受信機・送信機エラー番号出ていないか確認・メモを取る
    • それでも改善しない場合は、受信機のリセット(専門業者に依頼)

特に岐阜県北部の山間部など電波環境が不安定な場所では、送信機をできるだけ高い位置で操作するなどの工夫が効果的です。また、雨天時は送信機を防水カバーで保護することをお勧めします。当社では防水対応の送信機カバーも取り扱っています。

Q7: 過負荷警報が頻繁に作動する原因と対策は?

A: 過負荷警報は安全装置のため、無視せずに原因を特定することが重要です。

  1. 実際の過負荷の場合:
    • 対策: 吊り荷重の軽減、作業半径の縮小、ブーム長さの短縮
    • 確認: 定格総荷重表を再確認し、余裕を持った作業計画を立てる
    • 注意: 風の影響や荷物の重心位置によっても変化する
  2. センサー類の不具合:
    • 症状: 明らかに軽い荷物でも警報が作動
    • 対策: ブーム角度センサー、荷重センサーなどの点検と校正(専門業者に依頼)
    • 応急処置: システムリセット(キースイッチOFF/ON)で一時的に改善することも
  3. 誤作動の原因と対策:
    • 油温上昇: 連続作業を避け、休憩を入れる
    • 電気的ノイズ: 高圧電線近くでの作業を避ける
  4. センサー校正の必要性:
    • 症状: 徐々に誤差が大きくなる場合
    • 対策: 年1回程度の定期的な校正を推奨
    • 特に要注意: 接触事故や強い衝撃を受けた後は要点検

愛知県の工場地帯など電気的ノイズの多い環境では、過負荷警報の誤作動が起きやすいことがあります。作業開始前にテスト吊りを行い、警報システムの状態を確認することをお勧めします。当社では過負荷防止装置の点検・調整サービスも提供しています。

季節・環境によるトラブル

Q8: 真夏/真冬の極端な気温でのトラブル対策は?

A: 季節特有のトラブルに備え、以下の対策を行いましょう。

夏場(高温時)のトラブル対策:

  1. 油温上昇対策:
    • 連続作業を避け、30分~1時間に10分程度の休憩を設ける
    • 日陰での作業を心がける
    • 適正なオイル量を維持する(過剰充填も熱を持ちやすい)

冬場(低温時)のトラブル対策:

  1. 始動・作動トラブル対策:
    • 十分な暖機運転(最低10分以上)
    • 油圧オイルの粘度確認(冬用オイルへの交換検討)
    • 各操作を最初はゆっくり行い、油温を上げる

東海地方は夏場の高温多湿、冬場の寒暖差が大きいという特徴があります。特に岐阜県内陸部では冬の朝晩の冷え込みが厳しく、機器の凍結に注意が必要です。季節に応じたメンテナンススケジュールを組むことをお勧めします。

Q9: 雨天時の安全操作とトラブル対策はどうすればよいですか?

A: 雨天時は滑りやすさと視界不良、電気系統のトラブルリスクが高まります。

  1. 滑り対策:
    • 操作レバー・ハンドルの水分をこまめに拭き取る
  • 滑り止め付きの手袋を使用
  • ステップ部分の水分を除去し、慎重に乗降
  1. 電気系統の保護:
    • ラジコン送信機を防水カバーで保護
  2. 視界確保と安全操作:
    • 雨天時は通常より20%程度作業速度を落とす
    • 合図者との連携を密にする
  3. アウトリガー設置の注意点:
    • 地盤の水分含有による強度低下を考慮
    • 通常より大きな敷板を使用
    • こまめな水平確認と必要に応じた再調整

東海地方は梅雨時や台風シーズンに大雨になることが多く、特に愛知県西部や岐阜県南部では突然の集中豪雨にも注意が必要です。気象情報を事前に確認し、激しい雨が予想される場合は作業計画の変更も検討しましょう。当社では雨天作業用の各種保護アイテムも取り扱っています。

予防メンテナンスと点検

Q10: 突発的なトラブルを減らすための日常点検のポイントは?

A: 効果的な日常点検で多くのトラブルを未然に防ぐことができます。以下のポイントを押さえましょう。

  1. 作業開始前の5分点検:
    • 油圧オイルのレベルと色(黒ずみや白濁がないか)
    • 各部からの油漏れ(特に一晩停止後の地面の確認)
    • ワイヤーロープの状態(素線切れ、キンク、摩耗)
    • アウトリガーの動作確認と各ピン類の脱落確認
    • 警報装置・安全装置の作動確認
  2. 作業中の注意点:
    • 異音・異臭・異常振動の有無
    • 各操作の反応速度(遅くなっていないか)
    • アウトリガーの沈み込みがないか
  3. 作業終了後のケア:
    • ブームを格納位置に戻す
    • アウトリガーの完全格納
    • ワイヤーロープやブームへの付着物除去
    • 操作レバーを中立位置に戻す
  4. 週次点検のポイント:
    • グリスアップ(給脂)
    • ボルト類の緩み点検
    • バッテリー液の量
    • 各部の清掃

これらの点検を習慣化することで、突発的なトラブルの約70%は防止できるというデータがあります。特に東海地方の多湿環境では、こまめな点検と早期発見が機器の寿命を大きく左右します。

Q11: トラブル発生時に役立つ携行工具や部品は何ですか?

A: 現場でのトラブル対応に備え、以下のアイテムを車載しておくことをお勧めします。

  1. 基本工具:
    • スパナセット(10〜24mm程度)
    • プラスドライバーとマイナスドライバー
    • モンキーレンチとペンチ
    • ハンマー(小型のもの)
    • 六角レンチセット
  2. 消耗品・補修材:
    • 油圧オイル(1〜2L程度)
    • ワイヤー給油スプレー
    • グリス(カートリッジタイプ)とグリスガン
    • 養生テープと強力テープ
    • 結束バンド(各サイズ)
    • ウエス(清掃用布)
    • オイル吸着マット
  3. 電気系統用品:
    • 絶縁テープ
    • ヒューズ(各種サイズ)
    • バッテリーケーブル
    • 懐中電灯と予備電池
  4. 安全・緊急対応用品:
    • 作業用手袋(油・水に強いもの)
    • 安全ベスト(視認性の高いもの)
    • トラロープ(立入禁止用)
    • 小型消火器
    • 緊急連絡先リスト(修理業者、レッカー業者など)

岐阜県や愛知県の山間部や遠隔地での作業では、修理業者の到着に時間がかかることがあります。簡単な修理ができるよう準備しておくことで、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。当社では現場での緊急対応キットも販売していますので、お問い合わせください。

ユニック車のトラブルは適切な予防メンテナンスと迅速な対応で多くを回避・解決できます。堀野モータース株式会社では、ユニック車の販売だけでなく、アフターサポートにも力を入れています。岐阜県・愛知県を中心とした東海地方での出張修理サービスも提供していますので、トラブル発生時はお気軽にご連絡ください。また、定期的なメンテナンスプランのご相談も承っております。お問い合わせは当社(0574-26-7701)までどうぞ。

 

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