商用車業界の大再編：日野自動車と三菱ふそうの経営統合とユニック車市場への影響

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2025.07.16

はじめに

日本の商用車業界に大きな変革の波が押し寄せています。日野自動車と三菱ふそうトラック・バスの経営統合の動きは、トラック市場全体だけでなく、クレーン付きトラックなどの特殊車両市場にも大きな影響を与える可能性があります。本記事では、この統合の経緯や内容、そして私たち堀野モータースのような中古ユニック車専門店からみた業界への影響について詳しく解説します。

経営統合の経緯と最新状況

基本合意から延期まで

日野自動車と三菱ふそうトラック・バスは、2023年5月に経営統合に向けた基本合意を締結しました。当初は2024年3月に最終契約を結ぶ予定でしたが、日野自動車のエンジン認証不正問題の対応に時間を要したため、統合の時期が延期されています。

出典: 日本経済新聞「日野と三菱ふそう、統合の最終契約先送りエンジン不正対応で」(2023年12月22日)

統合の内容

統合計画によると、両社は新たな持ち株会社を設立し、そこに親会社であるトヨタ自動車（日野）とダイムラー・トラック（三菱ふそう）が同比率で出資する予定です。統一された持ち株会社の下で、日野と三菱ふそうは完全子会社として傘下に入ります。

出典: 共同通信「日野と三菱ふそう、経営統合へトヨタとダイムラーが均等出資」(2023年5月31日)

商用車業界の再編動向

2大グループへの集約

この統合が実現すれば、日本の商用車市場は「日野・三菱ふそう」と「いすゞ・UDトラックス」の2大グループに集約される見通しです。いすゞ自動車は既に2021年にUDトラックスを傘下に収め、販売会社の統合などグループ内の協業を強化しています。

出典: 日刊自動車新聞「いすゞ自動車、UDトラックスの国内販売会社との協業強化へ」(2022年4月15日)

いすゞと三菱ふそうの関係

いすゞと三菱ふそうの経営統合に関する発表や計画は現時点ではありません。いすゞはUDトラックスとの連携を強化し、商用車分野での競争力を高めている状況です。

出典: トラックマガジン「いすゞ、UDトラックスとの連携を強化国内販売網の統合進む」(2023年3月10日)

ユニック車業界への影響と展望

プラットフォームやユニットの共通化

日野と三菱ふそうが統合し、プラットフォームや主要ユニットの共通化が進めば、ユニック車のベースとなるトラックシャーシや動力システムのコストが下がる可能性があります。共通化による量産効果で、部品調達や生産コストが抑えられ、ユニック車メーカーにとっても価格競争力が高まる見込みです。

出典: 月刊自動車産業「商用車のプラットフォーム共通化が加速、コスト削減効果に期待」(2023年7月号)

技術開発の加速と選択肢の拡大

両社の親会社であるトヨタ自動車とダイムラートラックが資金と技術を提供し、次世代技術（燃料電池や電動化、自動運転など）の共同開発が進むことで、ユニック車の電動化や自動化など先進技術搭載モデルの拡充が期待されます。

出典: 日経ビジネス「商用車の次世代技術開発、日野・三菱ふそう統合で加速か」(2023年6月15日)

中古車市場への影響

当社堀野モータースのような中古ユニック車専門店にとっても、この再編は大きな影響をもたらします。プラットフォームの共通化が進めば、部品の互換性が高まり、中古車のメンテナンスや修理がしやすくなる可能性があります。一方で、ブランドやモデルの整理が進む場合、特定のシャーシやユニットに依存していた中小メーカーには影響が出る可能性もあります。

出典: 中古車流通新聞「商用車再編が中古車市場に与える影響」(2023年8月号)

堀野モータースの見解

商用車業界の再編は、短期的には不確実性をもたらしますが、長期的にはユニック車市場に新たな可能性をもたらすと考えています。特に次のような点に注目しています：